「権力は腐敗する」、目的と手段の錯誤

自民党の裏金問題、そして、日本共産党の委員長交代のニュースによって思い出す言葉は、「権力は腐敗する」です。やはり、同じ政党が10年以上も(一時期を除けば戦後78年間ずっと)与党、同じ人が20年以上トップというのは、異常、健全ではない、と思います。

なぜ、権力は腐敗し、組織が停滞するのでしょうか。

まずは、権力者(与党、委員長等)は、最初はこういう社会を築きたい、こういう組織にしたいという想い(目的)があるのだと思いますが、だんだんと権力を維持すること自体が目的になってしまいます。「こうしたい」という目的と、そのための「権力」という手段が逆になってしまうのです。

次に、周囲の関係者が権力者に対して必要以上に気を遣い、いわゆる忖度をするようになる、自然と権力者の思考様式が組織に浸透し、斬新な発想が出なくなり、組織は停滞していきます。

最後に、権力者自体の発想がマンネリになっていき、斬新な発想ができなくなることで、組織が衰えていきます。

私は、こういう状況や構造を途上国でたくさん見聞きしてきました。日本でも同じことがいえると改めて思います。

そして、このような状況や構造を打破するためには、有権者、組織の構成員等が覚悟を持って動いていく必要があります。日本の社会、政党、組織等のあり方は、バブル経済崩壊後、30年以上にわたって過去の遺産を食い潰しながら、なんとか続いてきましたが、だんだんと限界に近づいてきていると捉えています。

 

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