行政サービスのあり方、投資や費用は長期的な視点で捉える

市議になって1年3か月弱ですが、違和感を抱く点の一つが投資や費用の捉え方です。

例えば、ある事業に費やす予算額が1億円の場合、その事業効果が1年限りで終わるのか、複数年度にわたって効果がでるのか、見極める必要があります。効果が1年限りであれば、年間1億円の支出となり、一方、効果が10年にわたるのであれば、年間1千万円の支出と捉えることができます(1億円÷10年=1千万円/年)。

例えば、ある施設の移設に1億5千万円の費用がかかるとします。移設ということで「1回限りで移動させる作業に1億5千万円もの大金をかけるなんてとんでもない!」と捉えるのか、それとも、移設後の施設は50年以上使えるもので、かつ文化的な価値もあると捉えるのか、大きく異なります。後者であれば、年間の支出は300万円(1億5千万円÷50年=300万円/年)となります。さらに、文化的な価値があって人を惹きつけたり、広報の観点で話題を提供するという付加価値もあるとすれば、1億5千万円の見方は大きく変わってくるのではないでしょうか。

この話、当たり前と言えば当たり前ですが、金額の多寡についつい視点が狭まってしまって、複数年度にわたる事業効果を加味した精査がおろそかになる傾向が日本政治には存在している、と考えています。

ちょっと違う話ですが、政府が●●給付金で数万円を単発で支給しますという話についても、同じような捉え方ができます。

例えば、子育てについて、一人の子どもの教育費(小学校、中学、高校、大学、全て国公立の場合)は7百万円以上かかると言われています。その中で、子育て支援で数万円を単発で配りますと言われても、保護者にとっては将来不安の解消にはなりません。数万円を単発で配布するのであれば、その分の予算を学用品の共用品化に使って、複数年にわたって使える学用品を学校に配置いただいた方が事業効果は高い、と冷静に考えれば誰もが納得できる話だと思います。

金額の多寡も大事ですが、それよりも、長期間にわたる事業効果、そして、事業の付加価値を見極めていきます。そして、その予算が妥当かどうか精査し、必要な改善について、総論としても、具体的な事業についても、引き続き直言していきます。

 

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