今日(11月15日)発行の「広報ならしの」では、昨年度の決算概要が紹介されていました。
地方財政について考えるたびに違和感を抱く言葉は、
依存財源:国や県から交付されたお金や借入金 (2023年度は収入全体の比率として44.3%)
自主財源:皆さんから納めていただいた税金など (上記と同じ、55.7%)
というものです(「広報ならしの」(2024年11月15日号)の4ページにある表現)。
自主財源と依存財源という言葉から、特に「依存」という言葉から、あたかも「自主財源が多い方がよい」というニュアンスを感じる方がいると思いますが、本当にそうでしょうか?
私は、自主財源と依存財源の意味合いは、良し悪しを示しているのではなく、自治体が直接集めた財源か(自主財源)、国や県に「依って」得た財源(依存財源)、という違いだけ、と捉えています。自主財源が多ければよい、多くなるように努力すべき、とは考えていません。
私たちは、習志野市民であり、千葉県民でもあり、日本国民です。納めている税金は、お金としては色は付きませんが、税種によって国税と地方税として分けて処理されます。そして、行政サービスを提供する際に、その財源としては、市税等(自主財源)を使う場合や、国や県による政策や事業の実施という意味合いがあるため国や県に「依って」得た財源(依存財源)を使う場合がある、と捉えています。
総務省は、依存財源の一つである地方交付税について、
本来、地方公共団体の財源は地方税など自主財源をもって賄うことが理想です。しかし、現実には税源などは地域的に偏在しているため、これを調整し、地方税収の少ない団体にも、一般財源(使途が特定されず自由に使える財源)を保障するための仕組みが必要となります。このような趣旨から設けられたのが地方交付税制度です
と解説しています。
日本という国を構成する自治体は、社会・経済・自然等、様々な面で影響し合い、支え合っています。また、税源は首都とされた都市(東京)や他の大都市に集まります。一方で、その都市に必要なエネルギー(電力、水源等)や人材等を提供しているのは地方です。このような支え合い、税源の偏りも踏まえて、国や県は基礎自治体(市区町村)に補助金、負担金、交付税を提供しているのです。
このような考え方から、私は、「依存財源」という言葉自体を、「間接財源」(と「直接財源」)のように変更すべきではないかと考えます。
なお、習志野市の財政状況は、いずれの指標でも「健全」という状況です。この状況を踏まえて、基本としては慎重な財政運営を継続しつつも、慎重になり過ぎずに、豊かな未来のために必要な投資は、時機を逃さずに大胆に実施すべき、と考えています。財政は手段であって目的ではありません。
決算内容を踏まえながら、前向きなまちづくりにつながる財政となるように取り組みます。
(写真は、豊かな未来に向けて必要な投資として提案している、新習志野駅北口と秋津公園を直結させる歩道橋のイメージ図。駅を基点として半径1キロメートル内を見渡して、新しいまちづくりを提案していきます。)
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