報道によれば、政府は、新たな経済対策において、住民税非課税世帯向けに給付金を支給する事業を検討しているようですが、私は給付金事業には反対です。
まず、現金を配布するよりも、徴税段階で同額の減税をした方が手続きコストが少なくなるからです。給付金事業のたびに、膨大な手間をかけて、自治体も巻き込んで事務作業をするので、行政コストが膨れ上がります。
次に、現金を数万円給付したところで、日本の社会・経済を覆う将来不安は払拭されません。将来に向けて新しい社会像はこういうもので、そのために必要な改革を断行する、と言った方が数万円を給付するよりも将来不安の払拭に効果があります。
最後に、どうしても現金を給付したいということであれば、直接渡すのではなく、現物給付に切り替えた方がよいです。例えば、保護者が購入させられている副教材(例えば彫刻刀セット)を購入する予算に手当てすれば、その副教材は学校の備品となり、複数年使用されることになります。政策効果が一回の現金給付で終わり、ではなく、複数年にわたることになります。
このような理由から給付金事業に強く反対です。このような給付金事業を繰り返せば有権者からの支持が集まると考えているのであれば、大変残念です。
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