12月11日に行った一般質問の振り返り記事、4回目の今回は、秋津サッカー場の改修方針に関する質疑を報告します。
秋津サッカー場は1982年に開業した市営施設で、サッカー以外にもアメフト、駅伝、スポーツイベント等で利用されています。このサッカー場は天然芝で、稼働率の低さと維持管理費の高さという理由で人工芝にする改修方針が策定されています。
私は、近年、工事費が高騰している状況を踏まえて、改めてこの改修方針を精査し、また、現場を視察して、様々な関係者から意見を聞いたり、情報を集めた結果、
工事費が当初額(約1.7億円)よりも倍以上になる見込みの人工芝化ではなく、維持管理を工夫して天然芝の稼働率を増やし(稼働日を今よりも100日以上増加可能)、コンクリート片等が落下する等老朽化が著しい建物の改修を優先すべき
と議会で主張し、議論を展開しました。天然芝と人工芝のどちらがプレー面でよいかといった議論はしていません。こちらはかつて報道がなされて(参考記事はこちら)、議会でも議論は尽くされたので、私は、費用対効果という観点、安全面重視という姿勢で議論をしました。
費用対効果の費用面については、30年間で考えれば、人工芝化の工事費が高騰したため、天然芝を維持する方が30年間で3億円から4億円近く安くできる、と試算できました。私の試算では、人工芝にする工事費は4億円近くになると見込んでいます。2年程前に議会がこの問題を議論した際に使用されたコスト比較表を用いても、現状の工事費高騰を反映すれば明らかに天然芝の方が費用は安くなります。初期費用後の維持管理費用を含めても、天然芝の方が安上がりなのです。
また、効果という観点では、利用の多い休日(土曜、日曜、祝日)の利用率(2022年度~2024年度上半期)を見ると、
秋津サッカー場:67%
周辺関連施設(芝園フットサル場、高瀬下水処理場上の運動場、茜浜近隣公園予定地、袖ケ浦少年サッカー場の4施設):79%
と12%の差が稼働率という点であります。これは、天然芝は養生で使えない日があることが影響しています。
しかし、現場の方と話した結果、水やりのタイミング等を工夫すれば、今よりも100日以上稼働できる日を増やすことができて、休日で換算すれば稼働率を22%近く増やすことができるのです。
最後に、安全面については、改修方針の10ページに記載されているとおり、壁からコンクリート片が落ちる事案が8年前に起きています。そして、今年も同様の事案が起きました。落ちたコンクリート片が人に当たっていたら大事故になっていたところです。利用者の安全という観点で大変心配な事態で、最優先で対処すべきです。
これらを踏まえて、私は、費用対効果の観点から、また、まちづくりの盛り上げという観点からも、今、人工芝化を進めるべきではなく、天然芝の稼働率を上げて、予算は安全面の補修に使うべき、と主張しました。議論の内容についてご興味のある方はこちらをご覧ください。
最終的には、現在編成中の来年度予算において、人工芝化の予算が含まれるのかどうか、という形で結論が出ますので、引き続きしっかりと対応していきます。
(写真は秋津サッカー場で行われたアメフトの試合の様子)
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