寺沢弘樹さんという流山市役所で15年間勤務した方が書いた「実践!PPP/PFIを成功させる本」を読みました。
PPPはPublic Private Partnership (官民連携)、PFIはPrivate Finance Initiative (民間資金活用)の略語であり、行政サービスの提供や公共施設の整備等における民間企業との連携、民間企業の資金やノウハウの活用を意味しています。
私は、「何でも行政が直営で対応すべき」とは考えていませんが、「PPPやPFIが常によい」とも捉えていません。事業の性質や環境を踏まえて、適時適切に事業手法を選択すればよいと考えています。
その際に、大事なことは、自分たちの街のことは住んでいる住民、そして、市役所がよくわかっており、コンサルタントや有識者と呼ばれる方々にむやみに頼っても良い解決策は出ない、ということです。
様々な自治体の行政文書を読んでいて、よく感じることは、「魂が入ってない」、ということです。コンサルタントや有識者の提言やレポートをまるまる使っているような内容を見かけると、ほとんど意味がないと思ってしまいます。「●●市」という名前の部分だけ変えればどこの自治体でも使えそうな文書や文言が多くあります。自分たちの街をこうしたい!という魂を感じることができません。
行政においては、コンサルタントや有識者の方には、あくまで一般論としての知識や助言を求めて、そのうえで、自分たちの街の現場をしっかり把握して、課題への解決策をどう紡ぎだしていくのか、どういう街にしたいのか、という魂の部分が大事なのです。
この本の著者は、まちづくりには「覚悟、決断、行動」が重要だと繰り返し主張されていました。
数々の失敗例、成功例を紹介しながら、「旧来型行財政改革の流れをくむ総量縮減一辺倒の「ザ・公共施設マネジメント」が注目されたが、残念ながら思うようにはいかない。こうした社会背景のなかで、自分たちのまちの生き方は自分たちで切り拓いていくしかないことが見えてきた。」と書いています。
まさに、そのとおり!と思いながら一気に読んでしまいました。良い刺激をいただいた良書でした。感謝。
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