「ローカリズム宣言」で考える、これからの地方政治

内田樹氏の「ローカリズム宣言 「成長」から「定常」へ」(デコ、2018年)を読みました。

効率・利益重視の資本主義の限界を捉えつつ、人間性を重視した社会経済のあり方を論じた本で、大変参考になりました。

生活や社会を豊かにすることが目的にもかかわらず、行き過ぎた資本主義による格差の拡大・固定化、あらゆる社会サービスの商品化によるコミュニティー・共同体の崩壊に至ってしまった現代社会。改めて、人間としての豊かさを見つめ直し、変化の激しい時代に対応できる社会のあり方を問うた内容でした。

日本は、戦後の荒廃から、復興、そして、高度成長を通じて、大量生産・大量消費に即した経済社会を築き上げて一定の経済成長を成し遂げました。しかし、バブル経済崩壊後、目指す社会像がわからなくなり停滞し、そして、国内外の変化が激しくなる中で将来不安が増している状況です。例えば、変化が激しく予測が難しい状況に対して多様性が力になる時代において、教育現場は未だ画一的な制度や仕組みが多く残り、批判的思考や課題設定能力を育むことができていません。

このような状況において、地方政治においては、市民生活の安全、安心、そして、豊かさをどう求めていくのか、と自分たちの頭でしっかり考えて(そして、国や県の政策に沿うばかりでなく)、まちづくりを進めていく必要があります。

これからの地方政治、キーワードは、独立心(自分たちのまちは自分たちで決める、よくしていく)、多様性(激しい変化に柔軟に対応するためには、多様な価値観、生き方が力になる)、そして、挑戦(不透明な時代に、昭和的な価値観に基づく前例踏襲は不要。前向きな試行錯誤、挑戦がが道を拓く)、だと捉えています。

国や県に依存せず、自分たちの街の個性と課題を見つめて、自分たちの頭でしっかりと考え尽くして、前向きなまちづくりを進めます。

 

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