「夕張再生市長」からのメッセージ

現・北海道知事で、前・夕張市長の鈴木直道氏の書いた「夕張再生市長」(講談社、2014年)を読みました。2006年に財政が破綻した夕張市に、東京都庁から派遣された後、2011年に市長に就任した鈴木氏の想いや考えが率直に綴られていて、大変参考になりました。

●赤字の解消が最優先され、まちの再生、地域の再生は二の次とされたのだ。財政を立て直すことが目的で、そこに住んでいる人たちの生活は考慮されていなかった。

●行動を起こせば、一の成果しか生まれない可能性はあるが、もしかしたら一〇〇になるかもしれない。(中略)でも、何も行動も起こさなければ、成果はゼロなのである。

●住民向けの論理と、役所内部の論理を使い分けていては、住民の不信感はなくならない。

等といった印象に残る言葉が多くありました。困難に直面しながらも、住民の福祉という行政の目的を忘れずに果敢に行動した記録から、勇気と力をいただきました。

地方政治の目的は、その街に住む住民の幸せ、豊かさを支えることです。財政再生団体という状況でも、その目的を忘れずに奮闘した政治家の想いは胸に響きました。

財政はとても大事な手段・仕組み、でも、行政の目的ではない。改めて意を強くしました。

 

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