習志野市、厳しい財政状況に関するQ&A

私は、習志野市の財政状況は厳しいと捉えており、先月の議会における一般質問でも議論を深めました。議会閉会後も関係者と個別協議や意見交換を続けていますが、財政状況に対する厳しい見立ては全く変わっていません。

一方、国が法律で定めている財政に関する指標では習志野市は「健全」という評価であるため、市民の皆様から「大宮さんはどんな考えで、市の財政が厳しいと主張しているの?」という質問をいただいています。今回は、Q&A形式で市の財政状況について私の考えを共有させていただきます。

Q:そもそも、自治体の財政状況はどういう尺度でその健全性を判断するのか?

A:国は、自治体の財政の健全化や再生が必要な場合に迅速な対応を取るために「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」を制定し、2009年から施行しています。自治体はこの法律に基づいて、(1)実質赤字比率、(2)連結実質赤字比率、(3)実質公債費比率、(4)将来負担比率、という4つの指標を定めて公表することが義務付けられています。

Q:その4つの指標で習志野市の財政はどのように判断できるのか?

A:2025年度の決算値でいずれも「健全」とされる状況です。

Q:国に求められている指標で「健全」であれば、なぜ「財政状況は厳しい」と主張するのか?

A:国に求められている指標は重要ですが、この指標だけでは財政の将来見通しは評価できません。なぜなら、これら4つの指標は過去の数値で財政状況を評価しており、将来の見通しまで評価できていません。また、これらの指標で「早期健全化」という判定状況になればそれは相当程度に財政状況が悪化していると判断できます。例えば、埼玉県久喜市は習志野市よりも4つの指標は良い状況ですが、今後数年の間に厳しい財政状況となる可能性が見込まれて、今年8月、「財政緊急対策・再建宣言」を発出して財政改革に取り組んでいます。つまり、現時点の財政状況に加えて、今後予定されている大型事業等に必要な予算を踏まえて財政の見通しを評価する必要があります。

Q:習志野市は今後予定されている大型事業はあるのか?

A:老朽化している清掃工場の建替えに500億円以上、閉館した文化ホールの暫定再開(10年間)に53.6億円(新たに建て替えをする場合には175億円)、鷺沼小学校の移転事業に127億円(用地取得に44億円、工事費に83億円)が予定されています。

Q:そのような大型事業は財政見通しに含まれていないのか?

A:清掃工場の建替えについては事業計画の見直し中であり、現時点の財政見通しに含まれていません。

Q:今の財政状況のどのような点が「厳しい」というのか?

A:自治体の財政において、災害等の不測の事態に備えるために財政調整基金という基金があります。この基金の規模は法律によって定められていませんが、市の見解では習志野市の場合では39億円~77億円が望ましい規模ということです。この財政調整基金、習志野市では厳しい財政事情を踏まえて近年取り崩しており、市の説明では、今年度末には21億円となる予測です。既に望ましい規模を下回る見通しが出ています。ここまで財政調整基金が減っている時点で要注意と捉えていますが、この予測には今後必要となる清掃工場の老朽化対策の費用は一切含まれていません。ごみ処理を担う清掃工場は安定的に稼働すべき施設で、その施設の老朽化対策費用が含まれていないのに、既に財政調整基金が急減して望ましい規模を下回る見込みという現状に対して、私は「厳しい」と捉えています。

Q:今すぐに財政破綻をするわけではないので、数年後に対応を考えてはどうか?

A:予算は単年度で編成しますが、大型の事業による工事は数年の期間を要し、また、その維持管理費等を考えれば、単年度ではなく複数年度、少なくとも10年程度の財政見通しを立てて考える必要があります。また、数年後になって「やっぱり無理でした、財政危機です」という事態となり、行政サービスが急に大きく停滞する事態は絶対に避けなくてはなりません。つまり、今すぐ財政破綻する状況ではないけど、今、手を打たなくては、将来の財政危機を招く可能性があります。財政危機となれば、道路管理、教育、ごみ収集等、あらゆる基本的な行政サービスが大幅に滞ってしまう事態が予想されます。このような状況において、責任ある市政として、今こそ、適時適切に動かなくてはなりません。

Q:財政状況の厳しさに対して大宮さんはどのように取り組んでいるのか?

A:2025年度決算による繰越金(剰余金)を用いて財政見通しの改善は難しいと捉えて、私は、9月8日の一般質問で財政状況の厳しさと見通しを議論したうえで、具体的な提案を行いました。また、本日(10月6日)、市長に対して財政立て直しに向けて緊急要請を行いました(この内容は後日ご報告します)。さらに、来週行われる2025年度決算に関する委員会において、2027年度を見据えて効率化・廃止できる事業について徹底的に議論する予定です。市議会には予算の編成権はないため、現時点では、財政立て直しに関する問題意識をできる限り広めたうえで、その立て直しに向けた具体策を提案して、市長・市役所による大きな判断につなげることが市議会議員にできることだと考えています。引き続き全力で取り組みます。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。財政に関する問題は単純化するのではなく、丁寧に、そして、根拠をしっかりと確認しながら議論を進めて、冷静に採るべき選択肢を整理したうえで、最後はタイミングを逃さずに政治決断をして解決に導くことが重要です。私は、市議としての責任をしっかりともってこの問題に取り組んでいきます。

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