国創りへの志

約20年、途上国の国創りを支える仕事をしていました。その仕事を通じて人生の学びを得てきたので、いくつか紹介したいと思います。

まず、東ティモールでの体験。東ティモールは2002年にインドネシアから独立し国創りに取り組んでいましたが、その際に大学再建の支援をしていました。国創りを担う国立大学工学部の再建を支援するものでしたが、課題の一つは先生方の能力向上でした。長い紛争で十分な教育を受けていなかった先生方の能力について、まず現状を知るために学力テストをしようとした時です。

テストの提案をした私に対して先生方は激しく反発。「自分たちは先生なのになぜ生徒のようにテストを受けるのか」「屈辱だ」といった意見が相次いで紛糾しました。若かった私はうまく説得せず、ベテランの同僚が言葉を尽くしてなんとか説得してくれました。

そして、テスト当日、誰も来てくれないだろうという暗い気持ちで待っていると、ほぼ全員の先生がきてくれました。新しい国を創っていくために協力してくれたのです。真剣にテストに取り組む姿勢に涙が出てしまいそうでした。国創りのために反発する気持ちを飲み込んで取り組んでくれた先生たちの志に心から感動し、国創りの尊さを感じました。

自分たちの国をよくしよう、自分たちで社会を前進させようとする人たちの目、言葉、そして志に感動した経験は、私自身の学び、誇り、そして力になっています。

東ティモールの国旗に力強さを感じます↓)

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